冨田真紀子 (トミタ マキコ)

セブンスラグビー

プロフィール

千葉県浦安市出身1991/8/2生まれ。
フジテレビ所属の現役女子ラグビー選手、冨田真紀子。
高校からラグビーを始め、高1で1年間オーストラリア留学、大2で1年間スコットランド留学を経て、日本代表に。
大学卒業後はフルタイムで人事部で新卒採用と研修を担当していたが、リオ五輪後からは、競技をメインに活動している。
2016年7人制ラグビーリオデジャネイロ五輪出場。
2017年15人制ラグビーW杯出場。
2019年ながとブルーエンジェルス日本一。
2020年前十字靭帯断裂&肩の腱板断裂。
現在はチーム無所属でリハビリ中。
0から1を創れるような人間になりたくてアスリート生活を送っています。

<好きな食べ物>

1.お寿司

2.ハンバーガー

3.パエリア

<ご機嫌の価値>

1.生きているだけで丸儲けに感じられる

2.自己完結せず、周りにも元気を届けられる

3.取り巻く環境の幸福度が上がる

<関連情報>

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インタビュー

辻先生) 今日は女子ラグビーの真紀子さんと話をしたいと思います。よろしくお願いします。

冨田さん) お願いします。

辻先生) ラグビーという競技は、どんなところが魅力的なんですか?15人制でも7人制でも良いんだけど、女子のラグビーの魅力をちょっと語って下さい。

冨田さん) ラグビーじゃなくて、女子ラグビーの魅力か。そうですね。そもそもラグビーはスポーツの中でも結構マイノリティのスポーツでもあって、女子ラグビーなんてアスリート界、女子アスリートの中から見てもすごいマイノリティなスポーツだなと思っていて、だからこそ自分次第で世界が変わるという感覚がすごくあるので、女子ラグビーを自分で変えていけるっていう部分がすごく好きだなと思ってます。あと、ラグビーって、コンタクトしたり、タックルしたりして痛いんで、そういう痛みを共に伴うからこそ、一緒に戦ってる人のために体を張りたいと思えるようなスポーツだなって思っていて、痛みがわかるからこそ、味方のために早くサポートに行こうとか、良いパスをしようとか、今タックルしようとか思えるんです。1人だとスポーツも結局自分のエゴのためだけにしかならないので、本当に15人とか7人でワンチームになって、1つの目標に対して、みんなが体を張らなきゃ結果がついてこないっていう環境が1番整っているのがラグビーだと思います。

辻先生) なるほど。サッカーやバスケも結構体張って、チームのために戦う感じだよね。

冨田さん) だから私バスケもサッカーもすごく好きなんですけど、そもそもバスケとかサッカーとかと違って、女子に関していうとあんまり認知度も高くなくて、やるのが当たり前なスポーツでは無いからこそ、ちょっと変わり者が集まってるところが結構面白くて。やっぱりバスケとかサッカーとかバレーとか、他の団体競技はなんだかんだ高校とか大学とかで普通に出会うような人がやってるイメージだと思うんですけど、ラグビーやってる人、どこかネジ抜けてない?みたいなところがあって、ラグビーやってることで、普通に生きてると出会わない人に出会うなぁって思っています。特に私は最初はバスケやってて途中からラグビーに転向したので、バスケでは出会わなかった人にラグビーではすごく出会ったりしていて、学歴とか今まで生きてきた環境とか本当に違う中でも、ラグビーが好きっていう思いだけでずっと続けてる人が多いので、そういう人の魅力があって、続けてる感じですかね。

辻先生) なるほどね。Dispoでいうと、ボブスレーやってる桧野ちゃんも、女子でマイナーなスポーツをやってるけど、それに比べてラグビーは何が違うんですか?

冨田さん) たしかに。どうなんだろう。ボブスレーやってる人も私あんまり出会ったことないから、性格とかはあんまりわからないなぁ。結構ラグビーにありがちなのは、自分のお父さん、お兄ちゃん、弟がラグビーやってたからやり始めたみたいな人が多くて、始めるときは家庭環境の影響でラグビー始めましたって人が多いんですけど、でも結局続ける人って、ラグビーに対して可能性を感じる人が集まってたりしていて、そもそも男子とか女子とか関係なく、ラグビーやってる人が、ラグビーというスポーツに取り巻いている人が私すごく好きで。言葉にしづらいんですけど。

辻先生) わかるよ、なんか。

冨田さん) ラグビーやってたから、すごい仲良くなるみたいなことがあるんですけど、私は他の競技では無かったりしたので、そういうラグビー特有の愛情、みんなが人に対する愛情が深くなるみたいな感覚がやっぱり好きで。そういうところが、他のマイナースポーツとは違うのかなと思って、ラグビー辞められないなっていう感じですね。

辻先生) なるほどね。なんかあるよね。ラグビーやってる人の世界観というか、仲間意識みたいな感じとか、すごく感じるよね。競技としてはもちろんやってみないとわからないんだけど、ラグビーをやってる人たちの魅力みたいなものは確かに何か感じますね。

冨田さん) あー、嬉しい。本当にそれですね。ラグビーやってる人の輪が好きなので、ずっとこの中に居たいなって思いますし、こういう人たちにずっと永遠に関わっていたいなって思うと、ラグビーやるしかないなって。

辻先生) はい、ラグビーの魅力はなんとなく伝わりました。小さい頃、小学校の頃はどんな子供だったんですか?真紀子ちゃんは。

冨田さん) 私、お姉ちゃんと弟がいるんですけど、2個上のお姉ちゃんを追いかけながらも下の弟をお世話をする、すごい気を遣う子でした。お姉ちゃんがよくやらかしてランドセル玄関に置きっぱなしにしてると、親に怒られて廊下の牢屋みたいなところに入れられてたんですけど、こっそり牢屋から助け出してあげる救世主みたいなタイプの子でした。

辻先生) 冨田家には牢屋があったんですね。

冨田さん) 牢屋があるんです。そこに入れられた時とかに、お姉ちゃんと弟がよく喧嘩してたので、仲介役みたいな感じで、家族の中では気配りみたいなことをしてたんですけど、学校とかでは本当にスポーツが大好きだったんで、バスケ部にも入りながら、陸上部にも入って、1番足の速いカッコいい子と付き合うみたいな、誰からも「すごーい!」って言われる優秀系の女の子でしたね。

辻先生) あー。健康優良児だね。

冨田さん) そうですね。

辻先生) どっちかというと、平和主義ですか?

冨田さん) あー。たしかにそうかもしれないですね。平和主義でしたね。小学校の時は。

辻先生) 健康優良児で、活発で、平和主義って、ラグビーっぽいよね、やっぱり。

冨田さん) ぽいのかな。でもその時は、ラグビーするなんて1ミリも思ってなくて、中学上がってからもバスケ部でした。中高一貫校で、中学ではずっとキャプテンをやってたんですけど、高校のキャプテンからいじめみたいなものに逢い、それで結構自分の思春期が崩れてしまったので、バスケというスポーツが嫌いになり、バスケも辞めましたし、中学時代は上下関係にすごく悩まされて人を信じられなくなってしまいましたね。その辛さを支えてくれたのがラグビーで、ラグビーに出会ったおかげで上下関係に全然抵抗持たなくなりました。

辻先生) なるほど。それは、人の問題であって、バスケの問題ではない。

冨田さん) そうなんですよ。辞めちゃったんで、新しいものに行けて良かったかなって思ってるんですけど。

辻先生) なるほど。お父さんお母さんはどんな人だったんですか?厳しい人だったんですか?

冨田さん) そうですね。2人とも関西人で方言もめちゃくちゃ強くて、お母さんも厳しいけど、父親の方が怒り心頭系で。ランドセルとか放り投げたり、牢屋入れたりするのは母親の仕事なんですけど、本当に根本的なところでめちゃ怒ってきたりするのは父親でした。でも2人ともすごいスポーツが好きで、昔父親がラグビーやってたんですよ。まさか娘がラグビーするとは思ってなかったから、私がラグビーしたいって言ったら、「まじか」みたいな感じで、協力してくれました。

辻先生) 星一徹みたいな感じで、スポーツに関して「ああやれ、こうやれ」ってガンガン指示するお父さんではなかったの?

冨田さん) 生活にはめちゃくちゃ厳しくて、スポーツに関しては結構「いいじゃん」って褒めてくれるタイプでした。でも、「もっとこれやった方がいい、あれやった方がいい」みたいに一緒に体を張ってくれる感じでしたね。私はクラブチームでラグビーしてたので、平日はラグビーの練習はあまり無かったんですけど、会社から帰ってきてから家で一緒にスクラム組んでくれたり、一緒に何かやってくれる父親でしたね。

辻先生) 良いねぇ。娘とスクラム組んで練習できたら、お父さんは超嬉しいよ。

冨田さん) スクラムの練習ってめっちゃ近いんですけど、その頃父親がタバコ吸ってたので本当に臭くて、私も高校生くらいで思春期だったのでそれがすごい嫌で、「お父さん臭いから一緒に練習しない。スクラムもやらない。」って言い張ってたら、次の日に電動歯ブラシを買ってウィーンってやってて、かわいいなって思った記憶があります。笑

辻先生) お父さんは娘に嫌われるの嫌だから必死だよね。

冨田さん) はい。

辻先生) なるほど。そういう子供だったのね。

ラグビーをやるにあたっては、どんなメンタリティが大事だと感じてますか?

冨田さん) 1番大事なのは、柔らかさだと思いますね。

辻先生) それはどういうことでしょう。

冨田さん) 人間的な柔らかさが無いと、ラグビーって出来ないなと思ってて。自分のルーティンがしっかりしてて、これやらなきゃ、あれやらなきゃって決めてたとしても、うまくいかないのが当たり前なんです。スポーツ全般みんなそうだと思うんですけど、特にラグビーは、15人で1つのものを作り上げないといけないので、自分がごきげんでいながら、どんな状況でも柔らかく対応できる人でいないといけなくて。例えばウォームアップがうまくいかなかったから試合もダメだったって単純すぎると思うんですが、そうではなくて、色んな人の感情が入ったり色んなことがあったりしても、試合の時は冷静と情熱の間みたいな状態を常に保ってないといけなくて、その間を通るには物腰の柔らかさが必要だなって、私も毎回勉強になってるんですよ。慣れの問題ではなく、ラグビーは同じような状況が二度と無いスポーツで、人がいっぱいいるからこそ新しく見えてくることもあるし、そういった変化に対して一喜一憂しないで柔らかく対応することが必要なんじゃないかなって。

辻先生) 柔らかくか。良いですね。だって、均ちゃん(大野均さん)とか柔らかいもんね。

冨田さん) 柔らかいですよね。

辻先生) 柔らかい。あんなにゴツいけど柔らかい。おっしゃる通りだね。柔らかさが無いとラガーマン出来ないんだろうね。

冨田さん) はい。私もまだ勉強中なんですけど。

辻先生) その柔らかさを持てずにラグビーでうまくいかなかった、失敗した経験はあるんですか?

冨田さん) オリンピックの時、私は結構自分でトライしなきゃ、自分でタックル決めなきゃって思ってたんで、それで失敗して、脳震盪になったりしましたね。大舞台になると全部自分で背負っちゃうので、大舞台に弱いみたいなところはあります。

辻先生) 柔らかくなくなるね。

冨田さん) そうなんですよ。自分次第で結果が変わると思ってやってたんですけど、それは結果的に良くなかったですね。何事にも。

辻先生) 認知的な暴走だね。

冨田さん) そうですよね。なんか暴走してました。

辻先生) そうだね。柔らかさっていう言葉の表現がすごく素晴らしいね。使いたい気がする。

冨田さん) やったー。採用!

辻先生) 採用する。非認知的な脳をしっかりと育んで、自分を客観視したり、ご機嫌や平常心を保つのは柔らかさだよね。本当にそう思うわ。結局それが無いと、人としても魅力的じゃ無いし、スポーツにおけるパフォーマンスも、視野が狭くなって、力入ってるけど何か上手くいかない感じになる。だから柔らかさがやっぱり必要。柔らかさ。これ良いね。採用したいと思います。

冨田さん) ありがとうございます。

辻先生) Dispoは、子供達にまずご機嫌っていうのを体験してもらうごきげん授業をやっていたりするんだけど、今の世の中の教育に関して、感じることや課題感などはありますか?

冨田さん) うーん。今の教育って、正解を求めちゃう教育だなって思ってて。そういうふうに生きてきたから、与えられたものを返すみたいなイメージで先生も教えるので、そうなっちゃうだろうなぁとは思いつつも、幅が利かないというか、それが足りないなぁと思っていて。私自身も、例えばオリンピック目指すってなった時に、本当にこれだけという一本道しか見えなくなるんだけど、遠回りしても良くて、遠回りが実は近道みたいな、そういう教育がもっと出てくると良いなぁと思っています。どうしても、優等生でいなきゃいけないとか、点数取らなきゃいけないとか、そういうものに邪魔されて、自由に生きれないなっていうのがすごいあります。

辻先生) そうだね。その通りその通り。べき論や正解があって、学校の先生は、「はい、わかる人?」としか質問しないから、正解がわかる人以外は発言しなくなって手を挙げなくなるし、みんな色んなことを思って感じてるのに、その内側にあるものをアウトプットした時に正しいか間違いかだけで見られてるから、色んな個性や自由がなかなか出しにくい現状でもありますよね。

冨田さん) そうですね。そういうのを感じて思うのは、シェア文化、共有する文化が足りないのかなって思います。学校も、もうちょっと家族みたいな雰囲気にできたら、何でも言って良いし、何かを共有し続ける文化がもうちょっと学校内でも出てくれば、もっと言いたいこと言えるようになるのになぁって。

辻先生) わかるわかる。その通り。ごきげん授業はみんなで対話し続けるから、1時間の授業の最後には子どもたちがむちゃくちゃ笑顔になってみんな手を挙げるようになるし、それは一回体験してもらいたいなって思う。結局、認知的な脳しか使ってないと、凝り固まった、結果と正解と評価と枠組みの中で生きちゃうからね。それなのに、みんな夢持ちなさい、目標立てなさい、みたいな感じになってるから、それこそ柔軟性、柔らかさが欲しいよね。冨田真紀子さんは、ごきげんの概念にどのような印象を持たれていますか?

冨田さん) そうですね。ご機嫌でいることによって、自分だけじゃなくて、周りもハッピーになるなって思います。それは、私の最大のテーマなんですけど、その幸福度を上げたいなって思ってて、まず自分と自分の周りの幸福度を上げて、最終的に日本全体の幸福度ランキングが上がるくらい、ハッピーな国になれば良いなって思ってて。そう考えると、やっぱりご機嫌である必要があるし、それも自分だけじゃなくて、周りもハッピーにしないと、自分だけがご機嫌で終わるのはつまらないし、ご機嫌でいることによって世界が明るくなるというか、温度が上がると思います。

辻先生) 社会のハッピーや幸福度に関心を持ったのは何故ですか?

冨田さん) えー。なんでだろう。今までの、スポーツで上手くいかなかったり、人に裏切られたりしてきた自分の経験を経て、世界平和があったら良いよねみたいに思ったりしてて、なんでこんなにエゴとか要求とかが出てきて、うまくいかない生き方になるんだろうって思うことが結構よくあって。

辻先生) おー。

冨田さん) それで、やっぱりそういうのを自分で自己管理できるようになったらもっと自分もハッピーになるし、周りの人もハッピーになるし、それもシェアして文化として共有していったら、もっと自由な世の中になって、正解がない中で言いたいことを言えるようになって、世界平和につながったらよいなぁって思ったり。

辻先生) まじ良いよね。なんでそう思うんだろうね、真紀子は。だってそういう話できる友達そんなに多く無いだろう?

冨田さん) あ、そうですね。少ないですね。

辻先生) そうだよね。そういうことを話し合える人はやっぱりまだ少ないし、哲学的だし、世界平和とか何言ってるの?ってなるし。何かそういう話ってみんなしにくいよね。認知の暴走によって世界が不幸せになってることを象徴する映画は、パラサイトとジョーカーだと思ってて。なんでこんな暗いことが起こってしまうのかって考えると、やっぱり自分もその側面あるなとか、社会がこれを作り出してるなとか、知らないうちに無意識の差別みたいなものを持っていて人を追い込んでるんじゃないかなとか、いろんなことを感じる、すごい深い映画なんだよね。どっちもアカデミー賞取ってるけどさ。

冨田さん) あ、そうなんですね。

辻先生) ネガティブな方の課題感としてこういうのがあって。だから、本当にみんな幸せにいようとか、ハッピーでいられるのって最高だよねって感じ取れることはなかなか難しくて。でも僕がそれを感じ取ったのは、パッチアダムスっていう映画だった。

冨田さん) パッチアダムス?

辻先生) パッチアダムス。素晴らしい映画だから。ハッピーに生きることを伝えている、アメリカの赤い鼻を付けたお医者さんのお話。僕は慶應病院で働いてた30歳の時にその映画を見て、ハッピーとか心を大事にしよう、こういうことをやりたいって思ったわけ。病院で患者さんを診てる医療よりも、もっと世の中がハッピー、ご機嫌になる仕事をやりたいと思って、病院を辞めるきっかけになった映画なの。

冨田さん) え!すごいですね。ターニングポイント。

辻先生) そうです。素晴らしい映画で、考えさせられる。何回も見た方が良いくらいの映画なんだよね。だから、真紀子ちゃんのハッピーの考え方、素晴らしいな。

冨田さん) あ、うれしい。ありがとうございます。

辻先生) 素晴らしい。でもなかなかそういう話できる人いないんだよね。

冨田さん) そうなんですよ。

辻先生) 日頃、ご機嫌でいるために、ハッピーを保つために、真紀子さんはどんなことを意識されたり、大切にされりしてるんでしょうか?

冨田さん) そうですね。私が1番大事にしてるのは、自分のクレドです。

辻先生) おお。真紀子クレドがあるの?

冨田さん) 真紀子クレドを大事にしてます。1番。

辻先生) 真紀子クレドを1個教えてください。

冨田さん) えー。内緒です。

辻先生) わかったわかった。大事にするものがあるってことね。

冨田さん) はい。自分が辛い時とか、うまくいかない時とか、今日も頑張ろうって時に、このクレドを見ていくと、なんかご機嫌になります。

辻先生) そのクレドは、いつどのように作られたんですか?

冨田さん) 今のクレドは、怪我してから作り直しましたね。

辻先生) 今までのいろんな出会いとか本とかから言語化して作ったの?

冨田さん) そうです。いろんな本読んで。

辻先生) 真紀子クレドにしたわけですね。

冨田さん) はい、そうです。真紀子クレドです。百均の入れ物に入れてるので、ちゃっちいんですけど、結構大事にしてます。

辻先生) クレドの中身は、例えば「諦めたらそこで試合終了ですよ」とか「オレは今なんだよ」とか、そういうこと?

冨田さん) 私は結構もともと負けず嫌いなところがあるので、そういうのよりは柔らかさの方が大事にしていて、「来た時よりも美しく」とか「人生は1枚の絵だ」とか、そういう感じです。

辻先生) あー。素敵。ポエティックだね。

冨田さん) ポエティックなのを入れてるんですよ。自分が上がるように。

辻先生) なるほど。じゃあ、柔らかさの中には、美しさみたいなのが含まれてるんだね?

冨田さん) あ、そうですね。

辻先生) 今度ちょっと柔らかさを議論し合いたいね。素晴らしいです。あと2つ質問があります。1つ目はDispoに関することで、Dispoのアスリートたちの印象と、Dispoで取り組もうとしてる活動に対する想いを聞かせてもらえると嬉しいなと思います。

冨田さん) Dispoに集まってるアスリートは、みんな面白いです。みんな面白くて、言葉もすごいユニークですし、生き方はみんなバラバラなのに、歩んできた道のりがちょっと似てたりとか、ふと自分の心にスッと寄り添ってくれるような人が多いなって思っていて、1から10まで全部自分の言葉で説明する必要は無いくらい悟ってくれるような人が多いなって思っています。みんな第一線でやってきたものがあるからこそ、語らなくても友達!みたいな感じがしますね。

辻先生) そうだね。さっき学校で家族のように喋れたらいいねって言ってたけど、そういう家族のような仲間っていう感じがするよね。安心感とかね。

冨田さん) それがすごく良いなぁって思うんですけど、やっぱり男性は回すのがすごく上手いなって印象を受けて、女性は、受身な人が多いなって感じます。

辻先生) そうね。そこは今後どうなるかわからないですけど。

冨田さん) ですね。笑

辻先生) まぁそれはどうなるんですかね。日本女性の特徴というか。

冨田さん) あー、たしかに。そういう人が多いのかもしれないですね。

辻先生) こうやって1:1で話すとみんなしっかりした考え持ってますけど、男女同数いると、なんとなくそういう感じになるのかもしれないね。でも海外に長くいる水上スキーの沙綾ちゃんとかは、むっちゃ喋るからな。

冨田さん) へー。そうなんだ。

辻先生) 今後いろいろ交流してください。

冨田さん) はい。

辻先生) Dispoの活動に関してはどうですか?まだこれからだけど。

冨田さん) 活動に関しては、すごく意味ある活動だなって思っていて、こういう目に見えないものをホームページやオンラインサロンでいかに目に見えるようにするか、ってところが、私には出来なかったなぁと思っていて。こういうのって、想いを発信しても、「何言ってるの?」みたいな反応をされることの方が多くて、社会から結構退けられる感じがして。

辻先生) 俺は30年前からそういう苦労して、今やっと行き着いてるから。

冨田さん) そうですよね。その苦労がわかるというか、だからこそ、最初は結構入りづらいと思うんですよ。入りづらいと思うけど、なんでこんなに楽しいんだろうみたいな感覚を誰もが味わえるようになったら、それこそ本当に、ハッピー度がどんどん増していく気がします。

辻先生) そうね。最初はちょっとピンと来ないけど、それがみんなの普通の方向になってくれることを願いますけどね。だからみんなの力を借りてやりたいと思う。

最後の質問。冨田真紀子さんの今後のビジョンをお聞かせいただけますか?

冨田さん) そうだな。唯一無二な人になりたいなって思っていて。女子ラグビーの中で、オリンピックやワールドカップに行った人は数人しかいないんですけど、じゃあどういう人が唯一無二な人になるのかっていうと、0から1を作れる人、何もない更地から何か1つのものを作り出せる人が唯一無二の人なんじゃないかなと思っていて、人としても、選手としてもそういう人になりたいと思っています。この怪我をしてる間に、所属してた山口県のチームを辞めて、2021年からフランスのチームでラグビーをしようと思って。女子ラグビー界としては初めての人になるんですけど、私が1を作ることによって、フランスでラグビーするのもアリなんだと思ってもらえるし、英語喋れるのが当たり前なこの時代にフランス語を喋れるようになりたいっていう想いもあったりするので、まず現役生活の間は、人生の選択肢を増やせる現役生活を送りたいなと思っています。

辻先生) なるほど、そうか。それでフランス語の勉強をしてたのね。

冨田さん) 最初はただフランス語を勉強してたんですけど、フランス語勉強してたら、フランス行かないともったいないなって思うようになって、動いたら、チームが決まったので。

辻先生) いつから行くの?

冨田さん) 1月から行く予定です。国境が封鎖されてるんで、微妙なんですけど。

辻先生) すごい。松島がいるじゃん。

冨田さん) そうです。松島幸太郎くんにも連絡して。遠いんで、会えないと思うんですけど。

辻先生) 応援してますわ。フランスまで応援に行きたいと思います。ワールドカップもあるしね。

冨田さん) そうですね。はい。男子なんですけど。

辻先生) ということで、インタビュー終了です。ありがとう。素晴らしいですわ。日本の若者捨てたもんじゃない。最高です。

冨田さん) あ、ありがとうございます。