石川直宏(イシカワ ナオヒロ)

サッカー

プロフィール

1981年5月12日生まれ。39歳。神奈川県横須賀市出身。5歳でサッカーを始め、中学・高校は横浜F・マリノスの育成組織で育つ。2000年にトップチーム昇格。プロデビュー後2002年に出場機会を求めFC東京へ移籍。2002年、釜山アジア大会準優勝。2003年、22歳で日本代表初招集。2004年、アテネオリンピック出場。2009年Jリーグベストイレブン。両膝・足首と7度手術する怪我にも悩まされたが、2017年に18年間の現役生活を終え引退。2018年からはFC東京クラブコミュニケーターに就任。日本サッカー協会不服申立委員。
Jリーグ通算405試合71ゴール。日本代表6試合出場。

<好きな食べ物>

1. いくら

2. 鰹の塩タタキ

3. 焼肉

<ご機嫌の価値>

1.人に優しくなれる

2.謙虚になれる

3.良い流れを引き寄せられる

<関連情報>

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インタビュー

辻先生)今日は大の仲良しの石川直宏くんとトークしていきたいと思います。まずは、サッカーの魅力を、直宏くんの言葉で、みんなに伝えてほしいなと思ってまして。

 

石川さん)サッカーはずっと小さい頃からやってきたんですけど、いろんなアスリートの方と知り合ったり、いろんな競技の話を聞くと、サッカーはやっぱり団体競技というのがひとつ。その中で攻守の切り替えが非常に早い。交代メンバーも含めると今Jリーグとかだと18名で。レギュレーション変わって5名が試合に出れると。展開的にもかなり早いし、よく言われるPDCAサイクルじゃないですけど、高速で一人でそれを回していくのもそうだし、チームの中でどう共通理解を持ってやるか。コミュニケーションっていっても、なかなか試合中は大歓声で聞こえてこないんで。だから、日々のトレーニングの中でどこまで構築できるかというと、その一瞬一瞬の判断で全体が連動できるか。そういう面白さがありますね。

 

辻先生)最近サッカーの付き合いが多くなってきたから、サッカー観ることが増えてきて、だんだん直宏くんが言ったその面白さが僕もやっと分かってきて。テレビって一部しか映さないので、今言ったような魅力はやっぱり全体のスタジオを見てこそ感じたりはするよね。

 

石川さん)まさに、点が入る時入らない時もそうですし、失敗が起こるところもどうしてもそこの目の前のことにフォーカスしがちなんですけど、実はその駆け引きが前の前の前くらいからあって。結局そこで最後ミスを起こさせるってような守備のしかたなのか、攻撃側がミスをしてしまったって捉え方もあるんですけど、守備側がミスを起こさせたっていう。それは逆も言えるるんですけど。

 

辻先生)展開の早さとか、PDCAサイクル。じゃあここにラグビーの廣瀬がいて、アイスホッケーの鈴木くんがいてPDCAサイクル回してるフットサルの北原くんがいる中でやっぱりサッカーが一番面白いんじゃねって言える?

 

石川さん)いやー、でも展開的に早いのは、フットサルなんかは人数少ないですけど、コートが狭い中で非常に早いですし、うーん。

 

辻先生)アイホも早いぞ。

 

石川さん)そうですね。そういう部分でいうとまあサッカーが特別早いかっていったらそうじゃないとは思うんですけど、団体競技の中での攻守の切り替えっていう部分で言うと、手で扱うか足で扱うかっていう大きな違いはありますけどね。なかなか上手くいかない失敗が多いっていうのはありますかね、サッカーは。

 

辻先生)足で扱う魅力っていうのは手で扱うバスケをやっていた私からするとすごくフラストレーション溜まる感じだけど、わざわざ足でやる、そこの面白さってなんなの。

 

石川さん)ドリブル、キック、パスにしてもそうなんですけど。まず、手より足の方が筋力強いんで、やっぱり見てる範囲が変わりますよね。距離というか。例えば手で投げると5.60m投げるの結構大変なことだと思うんですけど、それを足で蹴れるからこそ、その視野を確保してなくちゃいけないですし、蹴る側はそういうこうところが見えてなくちゃいけない。なおかつ、受ける側は相手もいてスペースもあって相手との駆け引きをしながらどこで受けるかとか。ただ単に目があってアイコンタクトをしてそこに受けますよっていっても、やっぱりそこだけじゃ受けられないんで。駆け引きがあって、なおかつ筋力と正確性があって、ボールがつながる。最後、結局はどこから攻めようが、どこからドリブルしようがどこからパスしようがシュートしようが、ゴールを決めてゴールを守るのがサッカーなんで。すごくシンプルなんですけど。そこにはいろんな戦術や駆け引きがあるっていう。

 

辻先生)そうか。じゃあ逆にいうと、サッカーの足を使うならではの難しさみたいなものっていうのはどこにあるの?長年プロフェッショナルでやってきた石川くんがいうサッカーの難しさみたいなのは何?

 

石川さん)ゴールを決めてゴールを守るのがサッカーなので、最短でゴールを決められればいいですし、ゴール守れればいいんですけど、ただ、世界のトレンドやいろんな戦術、考え方があるので、正解がいっぱいあるんですよね。選択肢を一人一人が持つことができるか、なおかつそれをチーム全体で共有できるかっていう。サッカーでは正解が無いというか、いっぱいあるというか。その中でどういう選択をしていくかっていうとこですね。

 

辻先生)それはまた人生につながるような気がして面白いね。そういう意味では。

 

石川さん)そうなんですよ。例えば、目の前で誰もがミスだと思ったとしても、僕の中ではそれをミスじゃないようにどうするかっていう、発想の切り替えというか。それが相手にとってはミスかもしれないけど、実は僕にとったらすごくチャンスでっていう駆け引きですかね。

 

辻先生)社会や人生にもちょっと似てるね。

石川さん)そう思います。僕はマインド的にはサッカーでそういう部分を培ったと思いますし、誰もがピンチだなって思っているところで、いやめちゃくちゃチャンスじゃん。っていうところが何度かありました。

 

辻先生)サッカーに出会ったのは何歳くらいだっけ。

 

石川さん)サッカーを始めたのは5歳の時ですね。

 

辻先生)小さい頃の直宏少年はどんな少年だったんですか。

 

石川さん)サッカーが大好きで朝から晩までずっとボールを触っていて。練習というよりは、友達とボールを蹴っているのが主だったというか。遊びで上手くなった感じですね。

 

辻先生)もう楽しくてしょうがないっていう思い出ですか。

 

石川さん)もうサッカーボールがあればいいやっていう感じですけど。

 

辻先生)他のスポーツは?

 

石川さん)他は一通り。習い事はやってないんですけど。

 

石川さん)投げるのも別に苦手ではなかったですし、バスケット、野球、走ることももちろん好きでしたし、スポーツ全般は得意ではありましたね。

 

辻先生)お父様お母様は直宏少年に、どんな教育方針というか、どんな接し方をしてくれてたの?

 

石川さん)小さい頃から自分に責任を与えてくれたというか、とやかく言わないですね。自分で責任持ってやりなさい、やるんなら最後までやりなさいという。サッカーのプレーで怒られたことはないです。唯一怒られたのは、例えば朝練習行かなくちゃいけないのに、まず寝坊しました。だから朝飯食ってる時間がありません。

母親が作ってくれて準備されてるんですけど、飯食わずに、もう間に合わないからっていって行こうとした時に親父が飯食わないでサッカーなんてできるわけねーだろ!って言ってきれるっていう。

 

辻先生)はははははは。サッカーのことには一切言わずにね。それは素晴らしいね。

石川さん)だから逆に言われない方がどうなんだろうな。自分が責任持ってやらなくちゃいけないっていう責任感が生まれたり、自分が最後までやるってところでいうと、僕も親になって、こういうような接し方もなかなかできないんですね。そういうことって。

言っちゃうじゃないですか。

辻先生)そうだよね。そういう意味では良かったね。今の石川くんにとっても、そういう接し方のおかげだっだのかもしれないよね。

 

石川さん)間違いないと思いますね。

 

辻先生)dispoの大きな考えはそのご機嫌とかそのメンタルの大事さをいろんな形で伝えていこうってことなんだけど、サッカーにおけるメンタルの重要性はどのように説明できますか?

 

石川さん)サッカーってミスが多いスポーツだと思うので、ミスしても当たり前、ミスにとらわれていると、自分のマインドも変わる、チーム状況も変わる。いかにそのミスを切り替えてというか、活かして成功やチャンスに結びつけられるかっていうスポーツだと思うので。相手にとらわれていると、やっぱり自分たちのリズムも崩すし、まずは自分たちがどういうマインドであるべきか、どういうチャレンジをすべきかっていう方に矢印向いてるかどうか。

 

辻先生)そういうメンタリティはサッカーやってれば誰でもが育まれるの?それともそういうことが育まれずに、うまくいかない選手もいたりするの?石川くんはどこでそういうメンタリティの重要性を気づけたのか、逆に気づけず失敗をしてきたのか。その辺はどうですか?

 

石川さん)そういうことに気づかずプロになる選手もいるんですけど。いるんですけど必ずプロになって一番最初にぶち当たる壁が試合に出られないっていうとこなんですよ。ほとんどの選手が。そうなった時に、一番僕が良かったのは、幼少期、特に中学生の時に、身体が結構ちっちゃかったんですよね。周りの選手は身体が大きくて、自分の得意なプレーが中学高校時代はできない中で、自分がどうしようと思っても身長は伸びないし、そこにとらわれてストレス抱えるよりも、今の自分に出来ることにフォーカスして、積み重ねていって、じゃあ身体大きくなりました、今まで積み重ねてきたものがありますってところで合致して、なんかパワーアップしたみたいな経験をしたんですよ。

 

辻先生)中学校の時?

 

石川さん)中学の3年間と高校の2年間はずっと、その5年間は僕が身体伸び悩んで。うまくいったっていう記憶がほとんどないですね。

 

辻先生)そういうことに気づくためには、上手く行きにくい、アンコントローラブルなものにぶち当たったりしていることでやっぱり気づいていけると考えますか?

 

石川さん)間違いないと思います。ただ、僕はそういうことが多々あってありがたいと思えたんですよ。だけどこれが本当に良い選手というかわかんないですけど、上手くてそういう経験がない選手は本当にこうトントントントンとなんの苦労も知らずに、中学高校もトップトップでやってきて、そういう選手たちが集まるプロの世界で初めて壁にぶち当たる。それでどうしたらいいかわからないっていう。

 

辻先生)そういう壁にぶち当たって、そういう自分を内観してコントロールできないものにとらわれて、なんで俺だけこんなことになんだよとか、なんでなんでって言ってるよりも、その中で自分はどうするってことに気づいて、心もやるべきこともちゃんとフォーカスしながらやっていけるっていう経験は早ければ早いほどいいのかな?

 

石川さん)とは思うんですけど、それは僕が中学高校と身体が大きくならなかったことが一つと、あとは外的要因でいうと、ライバルが常にいたんで、試合に出られないってこともそうですし。あとは追い討ちをかけるようにじゃないですけど、高校3年生の時に、なかなかこう経験できないことだと思うんですけど、当時のマリノスとかフリューゲルスってチームが合併して、2チームが1チームになって。僕それが高校3年生だったんですよ。だから一気に2チーム分人が溢れて。それでプロになる選手ってやっぱ一握りじゃないですか。だから競争が2倍になったんですよね。

 

辻先生)滅多にない経験やなそれ。

 

石川さん)だからその時はなんで自分たちこのタイミングでっていうのはあったんですけど、またそこで試合に出られなくなったんですよ。

プロになるかならないかまでなって、あと半年くらいしかないなかで、試合も出られないってなって、矢印が外に向きかけたんですけど、やっぱりやるべきことってこうだよねって。中学時代の自分が身長伸びなかった時に、そういうことにとらわれているよりも自分に出来ることを、というのを一度経験してたんで。そこでその経験が活きたと考えると、早いうちからそういう経験ができた方が。つらくて苦しいんですけど。

 

辻先生)その時の仲間で、結局そういうメンタリティを持てずに、脱落して「結構あいつ上手かったんだけどなあ」って思いだせる仲間もいるの?

 

石川さん)いっぱいいますし。そういう選手の方が多くて、実際に僕のライバルでずっと試合に出続けててめちゃくちゃ上手かったやつがいるんですけど。当然プロになったんですよ。結局僕はそのギリギリのところでプロになって、プロという一番最初のスタートラインには立ったんですけど、結局僕が後からぬーって来てスタートラインに立って、僕の方がサッカー長く続けていたりとか、結果が出たり。やっぱりその選手は最後まで矢印向けられずに外に向かっちゃって引退してからそれに気づくという。

 

辻先生)なるほど。崖から落とす必要はないと思うんだけど、子供の頃にその一つの気づきを与えるのが僕らdispoの大きな役割りだと思っているんだけど。直弘くんの子供は何歳と何歳だっけ?

 

石川さん)今9歳と7歳です。

 

辻先生)子育て中だと思うし、学校教育とか、このどうしても認知型に偏ってしまう社会の教育の仕組みがある中で、教育ってことに関して、石川直宏くんはどのようなお考えをお持ちでしょうか?

 

石川さん)一言で言うと、その感度、器がしっかりとして広い人って言うんですか、いろんな情報をキャッチ出来る人というか、それを認知の部分だけにとらわれずに人の感情とか自分のマインドだったりとか、そういったところを客観視して自分の中でしっかりと理解というか。好奇心とも取れるし、人に対しての興味もそうだし。興味っていうといろんなこと、勉強もそうですけど、世の中のこともそうだし、そういうアンテナを敏感に張って情報をキャッチできる人っていうか。例えば学校の勉強もそうですけど、答えを出すための部分でいうといろんな考え方がある中で答えを最後導き出しますよ。ただいろんな考え方ができますよっていう、そのいろんな考えをどれだけ感度高くできるか。それは学校での勉強もそうですけど、友達との遊びの中でとか。

あの子今こういう風に思ってるんじゃないかな。とかこう人の気持ちがわかるとか。

いろんな捉え方が出来る感受性豊かな子を育てたいし、そういった子達がサッカーを覚たら、サッカーの中でも例えば指導を受けた時に、いろんな角度から物事を捉えられて、その中で自分はこれを選択する。その選択を増やすみたいな。そういう子達を育てたいな。

 

辻先生)今、そういう子供たちが育つような教育現場じゃないんじゃないかっていう課題意識はあるの?

 

石川さん)ありますね。いろんな教育の方たちと話をしたりとか。もちろん認知的な脳だったり、そういう積み重ねも大事なんですけど、その中でどう非認知、メタ認知って言われますけど、数値化が難しい部分を育てていくかていうとやっぱりスポーツってそういったところってすごく大事なところで。

 

辻先生)役割があるよね。

 

石川さん)はい。勝ち負けはあるんですけど、そこにとらわれずに。勝つためにって、スポーツをやってきた中で、勝つ選手とかかつチームって本当に一握りなんで。

その中で勝つためにやる積み重ねなのか、今の積み重ねが勝ちにつながるのかっていう見え方の違いというか。そこってなかなか気づけなかったりする部分なので、これをやっていたら勝つよっていうものがはっきり見えないと、やっぱり勝てる勝てないっていう判断が出来ないので。だけど大事なのはこうなんだよっていうことをやっぱり僕らが伝えてきたし、それを積み重ねていったら勝利になったり、例えばタイトルを取ったりっていうところにつながるっていう経験も僕もしてきたので。そこの大切さを伝えていきたいな。

 

辻先生)いい話だなあ。我々の活動の方向に話をすると、直宏の中で、「ご機嫌」ということの大切さみたいなものは、サッカーにしても人生にしても、ご機嫌の価値が今この世の中でどういう風に大切だって思いますか?。

 

石川さん)ご機嫌って誰もが経験ってあると思うんですよ。不機嫌、もちろん逆もそうだと思うんですけど。普通に考えて不機嫌ご機嫌どっちがいいってご機嫌ですよねっていうんですけど。不機嫌がもたらす影響、ご機嫌がもたらす影響ってやっぱり自分が考えている以上に周りに伝わってるなっていうのがあるので。周りの選手たちとか、世の中生きていく中でもそうですけど、僕が気づいたのは自分が不機嫌になってるのをなかなか自分が気づけなかったんですよ。

だけど、周りにあたっていたり、周りがすごい不機嫌な顔になっている姿を見て、あー自分がそういう影響を与えているんだなていう自分に嫌になっちゃったですよね。

そこから、無理矢理ご機嫌に持っていくというよりは、自分のマインドだったり人のマインドを変えるってやっぱり大変なので。サッカーを通じてもそうですし、日々の生活の中でも自分が変わることによって人が変わる姿っていうの見てきたり感じてきたので、それだったら自分が変えやすい自分を変えることで、周りが変わるっていう、そんなことが連鎖的にいくと、世の中幸せになるよね、ご機嫌になるよねっていうところは僕の中ではずっとあります。

 

辻先生)いいね。日々の生活や仕事の中で、自分のご機嫌を保ったり、不機嫌になってもご機嫌な方向にもっていくために何か大切にしていることっていうのは何がある?

 

石川さん)僕は、いろんなトライをして初めてそこで自分がどういうような状況、心理になるのかってことに気付けると思うので。それを試さない前に、これは嫌だとかこれはいいっていう判断って違うと思っていて。僕の中で、嫌なこともいいことも全てまずは自分が受け入れているんで。しんどいんですけどね。ただその中で自分が判断を一つ一つしていったり、嫌なことを取り入れた中で、例えば僕だったら嫌なこと、スポーツやっていれば不可抗力で怪我とか試合に出られないとかそういうものっていうのは受け入れないと。次に進めない状況だったからこそ、受け入れざるを得ない状況だったんですけど。でも、すげえやだなとか怪我って嫌だなって思いながら怪我はしていくわけで、それをどう自分の中でプラスに変えられるのかっていう部分でいうと、まずは、嫌な自分だったり苦しい自分だったりを知った上で受け入れて、その中でできることっていうか、過去にとらわれないというか怪我してしまったら過去の体には絶対戻らないので。

怪我したなりの最善の自分の体をどう思っていくか、みたいな。そうなっていくともう結構今まで出来なかったことが逆にできるようになったり、できてたことができなくなることもあるんですけど。いろんな視野で物事が判断できるようになったり。例えば応援してくださっている方々のありがたさが改めて分かったりとか。

ネガティブなこと、苦しいことで、逆に自分の感度が高まるっていうところは何度も気づいてきたので。

 

辻先生)そうかそうか。だから次の今にフォーカスしていく感じだね。受け入れても次の今のために生きていって、前と比べるわけでもなく、次の今に何が出来るかっていうことを考えていくと小さなご機嫌がちょっとずつやってくるってことですよね。

 

石川さん)まさにそうですね。だから過去のことを嫌だとかっていうことで終えるんじゃなくて、そういうことも含めて、今の自分になってるし、今の自分が積み重ねていくことで、未来の自分の姿になっていくのを想像していったりすると、あー、過去のことってけっして無駄じゃなかったな、とか無駄にしたくないなとか。

 

辻先生)コロナになってしまって、ポーツが不要不急っていうようなところに押し込まれて、Jリーグももちろん試合が伸びてしまったりとか、オリンピックも延期になっていたりとか、学生スポーツが随分無しになったりとかしてますよね。改めてスポーツのもつ価値みたいなもの、存在意義みたいなものを語ってくれますか?

 

石川さん)コロナの影響っていうと世界中で誰もが同じ境遇で難しい時代を過ごしていると思うんですけど、逆に言えばそういう同じ思いを持てる機会だと僕の中では思っていて。

苦しいやっぱ人たちもやっぱりいるけど、苦しい思いをしている僕らがみんなで何ができるかって考えるとスポーツの力ってやっぱり偉大だなぁって思いましたし、ある意味生きていく上でスポーツって必要か不必要かって言ったら別になくても生きてはいけますけど、そのみんなとのつながりとか認め合うことだったり心を豊かにすることだったりという事は間違いなくスポーツでいえば必要不可欠なので。改めてそのスポーツの価値を感じさせてくれたのがこの機会があったからって言うと言葉があんまよくないかもしれないんですけど。でも改めてスポーツの価値だったり、自分の存在意義っていうのは選手それぞれ感じだしスポーツに関わる人たちも感じたし。

改めてスポーツがなくなったときの何か物足りなさっていうものをみんなが感じだと思うんですよ。それこそがスポーツの力だと思いますけどね。

 

辻先生)そうだね。それすごくいい視点だね。そうなって、スポーツの価値はなんだろうっていう答えよりもスポーツってなくなると寂しいじゃんってみんながつながって思えたことが価値だよね。いい話だなあ。ちょっと使わせてもらいます。

それ素敵な話だったな。またdispoに戻すけど。ここにいる仲間みんないいやつじゃん。恐ろしいほどいいやつで、僕ものすごくここの居心地いいところなんだけど、このdispoのメンバーの会のメンバーたちのなんかこう印象を聞かせてもらえますか? 

 

石川さん)ほんとにあの素敵なメンバーと一緒にこう素敵な思いを共有できて、非常に光栄ですし、いろんな刺激を受けたりもしながら、みんなで成長していきたいなと思うんですけど。共通して言えるのはやっぱりみんな謙虚で素直で。もちろん大人の世界も知ってれば、競技の中でのマイナーメジャー、団体個人、いろんな境遇の中で色々な経験してやってきた人たちなので、いろんな思いはあるにせよ、心をぱっと開ける、素の自分を出せる的な人たちだなぁっていう。素の自分が出ると自分も素の自分を出そうと思うし。変に着飾ったりせずに接することのできるほんとに素敵な仲間たちだなと思いますね。

 

辻先生)そうだね、なんか距離感近くなるというか箱に入らず会えているというか。すごくあるよね。安心感の中でね。

では、dispoのアスリートの1人として意気込みというか、このdispoを通してやっていきたいと思っているような何かありますか?。

 

石川さん)もちろんスポーツやってきた人たちが、スポーツやってない人たちに対してもそうですし、世の中的にもスポーツだからこそ伝えられることもあれば、でもスポーツじゃない部分でも対話を通じてご機嫌でいる価値は間違いなく感じてもらえると思うんですよね。実際ご機嫌授業をやってもパっとその瞬間、僕も体感したので。

 

それを本当にたくさんの子供たちもそうですし、大人の方たちにも体感経験してもらって、その経験を今度また広げていくというか、その素敵な価値っていうのを。自然と良いものって伝えたくなるじゃないですか。そういう広がりをしていきながら、みんながハッピーになっていくっていうのを僕の中ではイメージできますけどね。

 

辻先生)それはいいですね。じゃあ最後の質問。石川直宏の今思っているビジョンみたいなものを最後に語ってもらえますか?

 

石川さん)僕サッカー選手でサッカーずっとやってきましたし、今サッカークラブにいて、いろいろ関わっていますし、サッカーを通じた普及だったりとか、楽しさを伝えるっていう部分をやっているんですけど。そうは言いながらも、別に僕サッカーじゃなくてもいいと思っていて。サッカーを通じた経験をサッカーで伝えるのではなくて、それこそ対話ですよね。サッカーで伝えますってサッカー好きな子ならもちろんいいしサッカーメジャーなので、サッカーですごい伝わる部分は、サッカーの力ってすごいあると思うんですよ。けどそういう部分はある意味サッカーをやってきた人たちがサッカーで伝えている部分もあるので。

逆に僕は、サッカーなんだけどもうサッカーじゃない中でその刺激を入れていって、サッカー会にも良くなってもらいたいし。それって別にあのスポーツやってない一般の人たちにも伝わってくれるんじゃないかなって言う部分があるので。そういったものをサッカーというクラブ、僕がハブにはなるんですけど、例えば自分を客観視する機会をどう作るかっていったら、世の中的にも同じような問題を抱えてたりするとか、地域の問題とか。例えば社会の連携とかそういったことを一緒になって共同していくことによって、自分の存在意義価値を、世の中の存在意義価値を小さい頃から感じてもらえる機会が増えると、自分が世の中に対してどういう存在なのかなとか、どうしていったらいいのかなっていうことが多分気づける自分になれると思うんですよ。

そういう感覚を持った子が、サッカーやればいいし、ラグビーでも、フットサルでも陸上でもやればいいしみたいな。スポーツでそういうような能力を高めてくれることも大事だし。スポーツやらなくても音楽なのか、自分の好きなことで何か世の中をそれぞれが彩っていった先には皆がつながる笑顔が増えるというか、僕はそういうマインドというかビジョンですね。

 

辻先生)直弘くんはFC東京にいらっしゃるから、クラブコミュニケーターっていう名前なんだけど、コミュニケーターってことが大事ですよね。社会コミュニケーターというかソーシャルコミュニケーターというか。そういう感じの立て付けが本当の望みという感じだね。

 

石川さん)そうですね。行き着く先はそこですね。僕はサッカーやってきて、フィールドの中でプレイしてきましたけど、今はピッチの上から、また違うフィールドでチャレンジをしていて。FC東京、日本サッカーっていうフィールドだけじゃなくて、世の中的な世界、地球規模のフィールドで言ったら同じじゃないですか。同じフィールドの上でみんながいて。その中で問題が右サイドにあるのか左サイドにあるのかどこにあるのかはわからないですけど。そこを同じフィールドにいるのにそこをないがしろにして、その中で思ったような生活できるかとか、思ったようなプレーができるかって言ったら出来ないので。

 

辻先生)面白い。

 

石川さん)そういう感度を持った子たちが増えていって欲しいし、自分もそういう感度の中で取り組んでいきたいし。運命共同体じゃないですけど、地球にいる生命として、同じ人類としてやっぱりそういうようなマインドでやりたいなと思っています。

 

辻先生)かっけえ。いや、それはぜひ応援したいし。そういう大きなビジョンがある石川くんとdispoで何か一緒にできることを光栄に思います。これからも我々と一緒にそういう素晴らしい社会を一緒に作っていけたらと思うので。今日は石川直宏くんありがとうございました。

 

石川さん)ありがとうございました。