金久保武大(カナクボ タケヒロ)

レスリング

プロフィール

競技歴は幼少期から小学校迄は、水泳。
小学校のクラブ活動では、ドッヂボール、バスケットボール、卓球。
中学校から柔道部に入部し、高校迄柔道を続け、大学からレスリングに転向。
大学院修了後、企業アスリートとしてALSOKに所属。
30歳迄現役としてレスリングを続けた。主な実績は、全日本7回優勝・アジア大会2位・世界選手権5位。
今は、現役引退後、ソニー生命で2021年3月迄営業職で勤務し4月から独立。
現在の主な業務は、保険業・不動産業等に従事する傍らアスリートの社会的地位向上に繋がる活動を行っている。

<好きな食べ物>

1.鶏むね肉

2.卵

3.ブロッコリー

<ご機嫌の価値>

1.笑顔になる

2.ご飯が美味しくなる

3.仲間が増える

<関連情報>

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インタビュー

辻先生)レスリングの金久保君。よろしくお願いいたします。

金久保さん)お願いします。

辻先生)まずはご自身の競技の魅力を語っていただきたいのですが、レスリングの魅力は一体何でしょうか。

金久保さん)端的にいうとやっぱり豪快さですかね。裸一貫で武器なしで身体だけの勝負なので。やっぱり男って強いものに憧れないですか。

辻先生)なるほどね。なんか耳潰れてぐちぐち2人で擦り合ってるあの感じ、美しくないな、なんて思ったりもするが、レスリングのその豪快さの中にどういう魅力が詰まってるんですか。

金久保さん)技のかかり具合というか、そういったものによって点数の配点が違うんですけど、ビッグポイントって言われるような相手が弧を舞うような投げ技とか豪快なタックルとかですかね。もちろん決まりづらいんですけど、力が拮抗してくると、それが決まった時の気持ち良さというか。それがやっぱり忘れられないですね。

辻先生)レスリングはいつから始めたんでしたっけ。大学でしたよね。

金久保さん)大学です。

辻先生)柔道だったよね、高校の時までは。

金久保さん)そうですね。

辻先生)レスリングと柔道の違いとか、レスリングの魅力みたいなものを大学に行ってすぐに気付けたのかしら。

金久保さん)いや気づけてないですね。やっぱり最初はすごく戸惑いました。コンタクトスポーツなので、まあどうにかなるっしょみたいな、ちょっと甘い考えもあったんですけど。やってみたらやっぱり全然違うんですよね。思ってた以上に。

辻先生)え、なんでレスリングの方にいったんだっけ。

金久保さん)端的にいうと柔道で結果が出なかったんです。自分の中では一生懸命取り組んだつもりだったんですけど。中高の6年間で自分が望む結果が得られなくて。で、高校3年生の時にちょうどアテネオリンピックやってたんですよ。僕の将来の恩師になるんですけど、今もすごくお世話になっている方がいて。そこで、その方の試合を見たんですね。高校3年生の時。柔道の引退が決まって、その人の試合を見て、めちゃくちゃかっこいいなと思って。日本人が豪快に黒人の人をまさに思いっきり外に投げているという。

辻先生)メダル取ったの、その方は。

金久保さん)いやメダルには届かなかったんですけど、7位入賞とかだったと思いますね。

辻先生)なるほど。なんという方ですか。

金久保さん)松本慎吾先輩ですね。今は日体大のレスリングの総監督で、ナショナルのグレコローマンというスタイルの総監督も今やられています。

辻先生)グレコローマンとフリーはどう違うんでしたっけ。

金久保さん)フリーは簡単にいうとなんでもありですね。足も使える手も使えるなんでも使える。グレコローマンは上半身だけの勝負なので、どちらかというと技のレパートリーは少なくなるんですよね。必然的に。なので、どちらかというと力勝負というか。

辻先生)金久保君は?

金久保さん)僕グレコローマンです。

辻先生)ほう。それはなぜそっちを選ぶんですか。

金久保さん)当時の監督にグレコの方が向いているって言われたことが一つと、あと日本はグレコの方が競技人口が少ないんですね。なので、やっぱり上に勝ち抜くにはグレコの方がいけるんじゃないかっていう。

辻先生)でも外国の方って上半身日本人より強いじゃん。

金久保さん)強いっすね。強いです。

辻先生)グレコはやっぱり外国の方が有利なの。

金久保さん)そうですね。世界的にはグレコローマンの方が、多分競技人口多いと思います。レスリングの大元はグレコローマンなので。

辻先生)そんな風にあこがれて大学でレスリング始めて、全日本まで勝って連覇するとか何回も勝つとかそんな感じになったのはいつ頃なの。

金久保さん)最初は口では言ってましたけど、口だけで言ってるだけというか、正直イメージはできてなくて。夢から目標に変わった瞬間みたいなのは大学生3年生のインカレですかね。そこで3位に入賞して、その時に来年もしかしたら大学で日本一になれるかもしれないと。そこからものすごく成果にこだわり始めましたね。大学でラストチャンスだったので大学4年の1年が。そこでやり切った感は結構あったんですけど、大学4年の最後に冬に全日本選手権に出場させていただいて。そこでもう引退も検討してたんで、集大成として最後に出て。そこで準優勝したんですよ。そうするとまた欲が出てきて、全日本で優勝したいなってなっちゃって。当時、僕は就職も決まっていなかったので、大学院の前期課程に行くことを選択していたので、大学院に行きながらあと2年間ちょっとチャレンジしようということで続けました。

辻先生)実際にそのレスリングの本当の魅力に気づいて、小さな目標を次から次へとクリアしていく感じで続いてってるっていうこと?

金久保さん)はい。

辻先生)本当に勝つようになってきた中で、だんだんとレスリングそのものの魅力が分かるようになってきたのはいつ頃なんだい。

金久保さん)初優勝ですかね。大学院の1年目ですね。

辻先生)おお。もうすぐに優勝したんだ。4年目の次に。

金久保さん)4年と2ヶ月くらいで優勝しました。

辻先生)すごいね。

金久保さん)自分でもすごいなと思っちゃいました。その時は。

金久保さん)その時は、正直番狂わせなところもあって、ごっそり強い人たちが辞めたんですよね。でも一強みたいな方が1人残ってて、その人には全然練習では勝てなかったんですけど。

辻先生)勝っちゃったの?決勝で。

金久保さん)僕は背負うものもなかったんで、試合でその時、僕のパフォーマンスが最大限発揮されて、そこで勝てたっていう。

辻先生)子供の頃はどんな子どもだったの。

金久保さん)そんなに運動のキャリアはないので、運動実績はないので。もう本当に普通の子でした。ゲームやったり漫画やったり友達と遊んでみたいな。

辻先生)習い事みたいなのなんかしてたの小学校の頃は。

金久保さん)水泳くらいですね。どちらかというと勉強の方が頑張ってたかもしれないです。

辻先生)なるほど。中学校で柔道はたまたま、部活で?

金久保さん)部活です。普通に公立高校の。

辻先生)なんで柔道だったの?

金久保さん)太ってて誘われました(笑)それだけです。本当に。あとは結構友人がたくさん。柔道部に入ってたんで。僕は世代的にスラムダンクの世代なんですけど、めちゃくちゃかっこいいじゃないですか、感動するじゃないですか。だからバスケ部入ろうと思ってたんですね。そうしたら、僕、姉がいるんですけど、姉がバスケ部の監督めちゃくちゃ怖いよって言ってきて。スパルタだよって。

辻先生)それで辞めたの。

金久保さん)それで辞めました。きついのやだって。

辻先生)でもそれで柔道いったら、スラムダンクで言うと、あのまさに柔道男の方にいったってことだね。

金久保さん)そういうことです。

辻先生)安西監督がいなかったから。

金久保さん)そうなんですよ。

辻先生)でもバスケやってたら、レスリングにはいってないだろうから。

金久保さん)もー確実にセンスなかったと思います。

辻先生)全日本優勝もなかったし。それはまあ運命だね。きっとね。

金久保さん)運命だと思います。

辻先生)dispoは「ご機嫌」、つまり心を大事にすることを子供達に伝えたいし、大人たちにも心の大切さとかご機嫌の重要性を教えていくのが我々の一つの使命として活動して、こうやってみんなが集まってくれてるわけなんだけど、心とかメンタルの大事さみたいなものに気づけた経験はあったんですか?

金久保さん)現役時代は、自分で言うのもあれなんですけど、レスリングに関しては結構短期間で成果を得たというか、4年ちょいで全日本優勝して、その翌年の世界選手権に初出場した時に、世界で5位になったんですね。でも結果的にそれ以後成果が出なかったんです。やっぱり初出場の時って、よくいう楽しんでいたというか。

辻先生)揺らがず、とらわれず、結果にとらわれず。

金久保さん)もう一生出られないかもしれないって本当に思っていたんで、これを楽しまなかったら損だなっていうのはありましたね。

辻先生)逆に、そういうマインドにできずに、勝てずに何か苦労してみたいな経験もあるの?

金久保さん)ありますあります。初回の初出場で世界5位になるとやっぱり周りも期待してくれるというか。翌年の2012年の世界選手権に出て、2年後にはオリンピックがあって。僕の出場も、僕自身も自分に期待するし、やっぱりその中で、どうしても成果主義になってしまったところがあって。その時はやっぱり負のスパイラルでしたね。結果を求めて過剰に追い込む。で、怪我もしてしまったりしてでも成果を求めなければいけないみたいな。その競技を楽しむとか、自分の望むパフォーマンスを出すとかっていうところではなくて、いかに、あの相手を倒すかみたいなことばっかりを考えていて。

辻先生)とらわれてるね。

金久保さん)自分を見失いましたね。あの時は。

辻先生)暴走だね。

金久保さん)まさに。その時は全然楽しめなかったし。辞めたいって思いましたね。

辻先生)そのあと、そういうことをきっかけに何か掴んだものはあるの。

金久保さん)大きなきっかけくれたのは一つ上の先輩なんですけど。僕は結果的にロンドンオリンピックの出場を逃して、その時もう26だったので、レスリングだとそのくらいの引退って標準というか。次のリオまでやると30歳だったんで、ちょっと引退を考えてたんですけど、オリンピックに出場された松本隆太郎という先輩ががいらっしゃったんですけど、その先輩が僕をパートナーに選んでくれたんですよ。アップパートナーというか。練習の。

僕パートナーとしてロンドンオリンピック現地入りしていて、2、3週間くらい帯同させていただいたんですけど、その中で、先輩が最初にメダル取ったんですよ、銅メダルを。それにものすごく感動して。やっぱり近くでずっと練習も一緒にさせていただいていたし、先輩がやってきた苦労も全部知っていたんで、見た時、純粋に感動して。僕あんまり他人のことで感動することってなかったんですけど、正直。ものすごい感動して、これはもう一回4年間かける意義があるなって目の当たりにして思って。どうせだったら楽しんで、残り4年間取り組もうというので変わりましたね。その時。

辻先生)で結局そこから何年やったの?

金久保さん)リオまでやりました。結果出れてないんですけど。総合大会はアジア大会だけです。2014年のアジア大会は出させていただいて。決勝で負けてしまったんですけど。でもそのアジア大会の銀メダルは、僕の中では、転機があって得た成果だったのでうれしかったですね。自分なりにはベストなパフォーマンスが出てたなという感じです。

辻先生)充実した銀メダルだな。そういう意味ではね。
我々が取り組もうとしていること。つまり「ご機嫌」という一つのキーワードの中で、揺らがずとらわれず、自然体でいることの素晴らしさみたいなものをみんなに感じてもらいたいっていう風に思っていて。みなさんのようなアスリートが「ごきげん先生」になって開催する「ごきげん授業」の活動とかは子供が対象じゃないですか。これからの教育に関して、金久保君自身も子供も3人いてさ、どんなことを思われてますか?教育っていう視点の中で現状の日本を鑑みた時に何か思うことはありますか?

金久保さん)シンプルに子供に思っていることは、判断と決断ができる人間になってほしいと思っていて。そこはすごく気をつけて接してます。というのは、やっぱり今って情報過多の時代だし、変化も激しいってよく言われるし。そうすると、1年前正しかったことがやっぱ翌年正しくなくなっちゃってるとか、認識が変わるとか、そんなことってあるので、鵜呑みにするんじゃなくて、一旦自分の判断とか決断をいれて、自分の行動、喋ったことに対して責任を持ってほしいなっていう、そういう思いがあります。

辻先生)いいですね。そういう子供を育てて日本に輩出していくことは。

今まさにコロナも含めて分からない不透明な時代のなかで、子供たちが決断とか判断を自分でできるようにするために大人はどうすればいいと思う?

金久保さん)選択の余地を与えてあげることとかですかね。やっぱり親って子供が可愛いので、なんでも決めちゃうというかってことはあると思うんですけど。

結構小さいことなんですけど、僕は、朝ごはんとかも必ず2つ用意するんですよ。

ご飯とパンとか。僕の持論なんですけど、朝食べる食べ物も自分で決められない人が、大学も就職もそうだし、結婚もそうだし、そういう大きな決断をできるわけないと思ってるんですよ。なので、とにかく意識的に小さな決断を積み重ねること。そういうことが重要だと思っているので、その余地を与えるというか。

辻先生)素晴らしいね。自分で決めるってことだよね。やるやらないも自分で決めてるし。それが習慣として朝のご飯から何を食べるかをあなたが決めなさい。あなたが考えなさいというチャンスを大人が子供に与え続けていって考えさせていくってことだよね。

金久保さん)そうですね。自分の意思をちゃんと自分で知って欲しい。

辻先生)素晴らしい!

「ご機嫌」っていうのは、このdispoの活動で僕らの大きな共通キーワードじゃないですか。一方で「ご機嫌」って、何もやらずにだだゴロゴロしてビールだけ飲んでるみたいな悪い捉われ方されがちなんだけど、僕は、心の状態を揺らがずとらわれず平常心でフラットで自然体でいるっていうことを「ご機嫌」という風に定義しているんだけど。この「ご機嫌」な心の状態について、人生とか仕事、レスリング含めて、どのように大切だと考えていますか?

金久保さん)僕は、自分のことを自分でしっかり知ることが結構重要だと思っていて。やっぱり「ご機嫌」の定義って抽象的なので、一人一人違うと思うんですよ。

辻先生)そうだね。

金久保さん)そう考えると、自分が何をやっている時がわくわくして、どうしている時がドキドキして、どういう時にイライラするのか、みたいな。しっかりと自分の感情と向き合うことがすごく重要だと思うんですね。どういう時にどうなるかっていう。そこは結構意識していました。今もですけど。

辻先生)金久保くんにとっての、「ご機嫌」でいる感じはどんな感じなの?

金久保さん)「ご機嫌」は、一番は自分自身の成長を感じられた時とかに感じるんですよね、僕自身は。あとは、他者に本気で喜んでもらえた時とか、自分のやったことをすごく感謝された時とか。

辻先生)じゃあ自分で自分の機嫌を取ろうと、そのセルフマネジメントっていう話をした時に、今の感じだと他者介入が存在するじゃん。

金久保さん)そうですね。

辻先生)「ご機嫌」でいるっていうのは、セルフマネジメントの一つの言葉なんだけど、嫌なやつもいるし、上手くいかないこともあるけど、そのなかで自分の気持ちとちゃんと向き合ってセルフマネジメントして自分で自分の機嫌を取って、どうせやるなら機嫌良くやろうぜと。自分で自分の心を整えて向き合っていきましょうと。どうしても、ただ勝ちたい勝ちたいとか成果とか結果ばっかり、他人ばっかりに振り回されがちだから、その中で「ご機嫌」でいるセルフマネジメントが大事だよっていう、その感覚はどのように受け止めてますか。

金久保さん)さっきの話に戻るんですけど。やっぱり大元は決断だと思ってるんですよ。決めること。これ何でかっていうと、目標もなんでもそうなんですけど、決めないと結果が出ないじゃないですか。で、僕は質の高い結果を得ることが、成功とか失敗じゃないと思うんですよ。一生懸命取り組んだかどうかとか、自分の望む自分になれてるかとかどうかとかっていうところが本質だと思っていて。そういう、質の高い成果を得ることで、次の自分、自分が目指す自分ってものが見えてくると思うんですよね。なので、そういう質の高い決断と質の高い結果を得ること。結果というか、その一生懸命やることっていうのが、僕は成果だと思っているんで。

  辻先生)そうだね。だから、決断も自分でできることだから。人からやらされて人に決められて、やらされ感があるから機嫌が悪くなるわけで。ご機嫌のセルフマネジメントの基本のひとつとしてまさに「自分で決める」ってことから始まるし、一生懸命やるかどうかも自分で決定できることだから、そのプロセスを一生懸命できることがもう全てのご機嫌の源のひとつ、セルフマネジメントのひとつであるっていう。

金久保さん)その通りだと思います。僕も部活やってた時もあって、仕事もそうなんですけど、やんなきゃいけないとかこう合わせなきゃいけないことも絶対出てくると思うんですよ。例えば自分だけみんなと違う練習をやるとか、っていうこともできないじゃないですか。だけど僕は、その時自分に言い聞かせていたことは、コーチや監督にやれって言われたことをやるって自分で決めてたんですよ。

辻先生)そうだね。その通り。

金久保さん)自分なりに意味付けをしたり、解釈をしたうえでやっていたので。

辻先生)やれって言われたことをやると決めたのは俺だっていうことがわかっていることが実大事だよね。みんなそこが分かってないから。

金久保さん)そうなんです。従うことが悪いことだと思っていないし、親の言う通りに生きることも別に悪いと思っていないです。ただそう生きるんだったら、親の言うことを聞くって自分で決めなきゃいけないんですよ。

そうじゃないと、外的要因のせいにしちゃうじゃないですか。出た結果を。

一旦自分で決めたってところがものすごく重要だと思っていて。

辻先生)それは素晴らしい考え方ですね。もう一個だけ質問。「ご機嫌」でいることの定義はいろいろあったとしても、「ご機嫌」でいるっていうことそのものの価値についてどう考えていますか?

金久保さん)ご機嫌の価値って僕は無数にあると思っているんですけど。

それこそご飯が美味しくなるとか、睡眠の質が生まれるとか、他者に優しくできるとか、無数だと思うんですけど。今の話に紐づけると、やっぱりご機嫌の時の方が僕はいい成果が出ているんですよね。結果的に。

なので、結果を追い求めてるから結果が出るんじゃなくて、一生懸命に取り組んだり、自分がご機嫌でいて、取り組んでいることが成果につながっているんだと僕は思っているんで。順序的に。

辻先生)だから自分で決めて一生懸命取り組んでご機嫌な状態でやるべきことをやっているから、実は結果がくるんだよね。

金久保さん)その通りだと思います。

辻先生)そのことにみんなが気づけないんだよね。

結果結果結果っていくから。それは認知的な構造で、やっぱり教育の問題も僕はあると思うんだよね。家庭教育、学校教育、社会教育が、この認知的な結果と外界と行動ということを柱にした言葉がけ中心になっちゃうから。でもそれはしょうがないから、我々のやる意義はますますあるんじゃないかなと思ってます。

金久保さん)そうですね。

辻先生)dispoにはいろんな面白いアスリートメンバーが集まってますが、そのdispoの仲間たちについてどう考えていますか?

金久保さん)いいメンバーしかいないですよね。本当にびっくりするくらい。

やっぱり、今言ってたようなことがみなさんできている方々なんで。

成果の良し悪し、あの結果の良し悪しではなくて、一生懸命取り組めたのか、取り組めなかったのか、自分で決められたのか、決められなかったのかみたいな判断の質がすごいみんな高いと思うんですよね。

辻先生)そうだよね。

金久保さん)なので、それでみんな結果出てるんですよね。

辻先生)みんな結果出てるんだよ。その通りだよ。だからこの真実をなんとかみんなで伝えていきたいと思うし、みんなそれなりに結果が出ているからこそ、子供達にも伝わりやすいなって思うし。「ご機嫌」っていうのがひとつの入り口になってはいるけど、そこはアスリートが伝えていく側面のひとつとして重要だと思う。そういうことが子供達に伝わっていけば良いと思うけど、ビジネスマンとして今の社会、大人達のそのご機嫌度合いというか、その辺に関してはどのように思われていますか?

金久保さん)僕はありがたいことに周りにご機嫌の人たちが多いので。

辻先生)自分で決めて仕事をしている人たちに囲まれているからなあ君のところも。

金久保さん)特に僕の職種はそういった方が多いかなと思います。めちゃくちゃいい環境だと思っています。

辻先生)それは素晴らしいわ。今も夜遅くまでそこに残って働いているのも自分で決めてやってるんだもんね。

金久保さん)そうなんです。やりたいからやってるんです。

辻先生)素敵です。じゃあ最後の質問。これからの金久保くんの、元アスリートとしてもそうだし、お父さんでもあるし、人生のビジョンは、どんな風に描いていらっしゃるんですか?レスリング界に対してとか、社会に対してとか、ビジネス界であなたという人間のビジョンを最後にお聞かせいただきたいんだけど。

金久保さん)お父さんとしてとか元競技者としてとかビジネスパーソンとしてとか、それぞれあの思い描くものは違うんですけど。でも、大きく言うと、もっと大きな理念ともっと大きな周りに対してのいい影響力を持ちたいと考えていて。で、それを実現するためにはやっぱり自分が一生懸命にやること。僕はビジネスの世界に入って、キャッシュと理念ってすごく紐づいている感じがしていて。例えば、三木谷さんとか孫さんがビジネスをやる前から本気で日本を変えたいとか思っていたわけでは無いと思うんですよ。多分、大きなお金を、もっと大きな理念が育ったんじゃないかなっていう僕の中では仮説があって。

そう考えると、大きな貢献とか理念をもつにはそこも無視できないのかなって思っていて。やっぱお金を得ることって僕全く悪いと思っていないので。 

だからそこはビジネスマンとしては、成果をどんどん楽しく出していきたいなっていうのは思っています。

辻先生)それはスポーツ選手が金メダルを取りたいっていうのと一緒で、ビジネスマンにとってはビジネスを成功させて、お金をビジネス的に稼ぐっていうのもあって。でもちゃんとそこに理念と目的があれば、ただ金メダルを取るということじゃなくなるだろうし、ビジネス自体でお金だけで食って生きていけるわけじゃないから、その理念がそれによって育って、自分の志とか目的が更に見つかっていくってことにはなるよね。

金久保さん)そうですね。まだ自分が抱けていないそういうものを抱きたいな、理念を抱きたいな。

辻先生)それがまたどうなるんだろうっていう楽しみがあるんですね。

金久保さん)そうなんですよ。言い訳かもしれないですが、スポーツって身体的な能力が、年齢とともにどうしても落ちてきてしまったり、古傷とかもあったりするかもしれないんですけど、ビジネスってそういう引退が僕はないと思ってるので。

貢献の仕方もまだまだこれからたくさんできるかなと思っています。

辻先生)今何歳なの。

金久保さん)34です。

辻先生)そうか。俺が慶應病院辞めたのも30半ばくらいで、独立したのは38の時だからなあ。

医者になった頃にまさかスポーツドクターになるとか『スラムダンク勝利学(※辻秀一著)』を書くとか、こうやってみんなみたいなアスリートに囲まれて一緒になにか、こういう社会に役立つことをやろうなんて30代の頃考えてなかったからね。想像だにしていなかったから。でも言えることはなんか君と今話して、とにかく目の前のものを一生懸命自分で決めてやってきたって感じはやっぱり改めてなんか話して気付いたって気はするけどなあ。

金久保さん)ほんとそれだけはこだわってます。

辻先生)そこの大切さはみんなに伝えていきたいなって思うし。じゃあ最後、本当の最後に、dispoのメンバーとして、何かこう企てたいなとかこの集まりのなかでこんなことやったらおもろいんじゃないかなとか思ってるようなことがもしあれば最後に言ってくれる?

金久保さん)今はコロナ禍の影響もありますけど、最終的にはこうリアルでそういうご機嫌の価値とかに気づいた方となんか楽しくリアルでイベントやりたいなって。それこそなんでもいいんですけど、バーベキューでもいいし。

みんなで楽しめることをやったらすごくいいんじゃないかなって思いますね。

辻先生)みんなでなんか工夫すれば、レスリングはなかなかやりにくいけど、みんなでなんかちょっとおもろいことはできそうだもんね。運動会とか。

金久保さん)運動会とかめちゃくちゃ楽しそうですね。

辻先生)みんなそれぞれ負けず嫌いもたくさんいるし。このアスリートと一緒に運動会がやれるオンラインサロンをぜひ目指しましょう。またぜひ力を貸していただきたいと思います。

金久保さん)ぜひぜひこちらこそお願いします。

辻先生)ということでレスリングの金久保くん今日もありがとうございました。またこれからもよろしくお願いします。

金久保さん)ありがとうございます。